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第16話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


パソコンは無事にミケさんから取り戻した。いや、正確にはお姉さんから返してもらった。お詫びとしてマタタビドリンクを貰ったけれど、僕は飲まない。ヌシさんにあげるよ。

『いや、くまくまが貰ったんだし、くまくまが自分で飲みなよ。だいいち、マタタビって人間が飲んでも大丈夫なの?』

 ど、どうなんだろう。ちょっと調べて・・・。あ、人間にも効くみたいだよ。ほら、これ見て。

『ふーん、そうなの。どれどれ・・・・。マタタビ酒なら飲んでみてもいい』

 お酒ね。僕は別にお酒なんて飲もうと思わないけどな。

『もったいない。マタタビ酒の味は知らないけど、この世にはおいしいお酒が沢山あるのに』

そんなことを言うヌシさんの手には、ビール瓶がある。どうしたのさ、そのビール。ヌシさんは、よくぞ聞いてくれましたって顔をして教えてくれた。

『これは、我が家初の・・・・・・・、あれ、なんだっけ?』

 ど忘れしたらしい。

『えーっと、あれだよ、あれ。なんていったっけ・・・・・カタカナで・・・・・』

 まだ思い出せないらしい。

『えっと、ほら、お礼がつく寄付みたいなやつ』

 ・・・・・クラウドファンディングのこと?

『そう、それそれ!』

 なんでも一昨年に行ったイベントにまた行きたいと楽しみにしていたけど、2年連続で中止になってガッカリしていた時に、そのイベント絡みのクラウドファンディングを見つけたんだそうだ。

『で、思わず』

 ヌシさんが右手でマウスをクリックする真似をする。なにが「思わず」だ。ヌシさんのことだから、自分でお金をだしたんじゃなくって、出してもらったんだろう?

『ついでにこれも』

 ヌシさんが持ち上げたのは、おいしそうなソーセージがのったお皿。まさか、それもクライドファンディング?

『で、これから飲んで食べる』

 人の質問に答えてくれ。



「「「乾杯!」」」

 ヌシさんと、旦那さんと、ジュラルミンの声が響く。僕も入れてくれよ。

『さっき、お酒は飲まないって言ってなかった?』

 いや言ったけど、ソーセージだけでも食べさせてくれたっていいじゃないか。別にビールを飲まずにソーセージだけ食べたっていいはずだ。

「ビールのお供はソーセージ、ソーセージのお供はビールと昔から決まっているんです。ビールとソーセージがどちらも目の前にあるのに、どちらか一方だけというのは許されません」

 ジュラルミンが胸を張って言い切った。いやまて、そんな話は聞いたことがないぞ。それに、ビールには枝豆じゃないの?

『日本のビールならそうかもしれない』

 え、今飲んでいるそれ、日本のじゃないの? だったら、僕も飲みたい。




 ほろ酔い、いや随分出来上がったヌシさんがつぶやいた。

『来年、来年こそは、会場で飲みたい!!』

 うん、その時は僕も連れていってくれるよね?

『旦那様とジュラルミンとで、飲みに行きたい!!』

 僕も連れていってくれ!!

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