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第10話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


 ミケさんとお姉さんを見送り、僕も家に戻ってきた。

『おかえり、くまくま。あれ、彼女はどうしたの?』

 彼女? 誰のことだよ。

『三毛猫さんのことだよ。一緒に帰ってこなかったの?』

 僕はヌシさんにきちんと説明していなかったことを思い出した。そして、ヌシさんが誤解をしていることも。事の次第を話すと、とてもガッカリしたみたいだ。一体何がそんなに残念なのさ。

『いや、だって、さあ。くまくまに、いずれは、お嫁さん、いいなって』

 ごめん、ヌシさん何を言いたいのかよく分からない。それに僕、考えが古いって言われるかもしれないけど、パートナーは同族のクマがいい。

『そんなあ』

 そんなあって何さ。僕のパートナーだぞ、僕の。ヌシさんの好みを押し付けないでくれないかな。あ、凹んじゃったよ、ヌシさん。


 ヌシさんは、凹んだ挙句、寝てしまった。まあ、放っておこう。僕は今回のことを振り返るべく、僕専用の椅子に腰かけた。ちなみに、この椅子は、僕がヌシさんを遠隔操作して買ってもらったものだ。ちなみに折り畳みの椅子なので、座り心地がいいわけじゃない。けど、気に入っている。

 話がそれてしまったな。

 お姉さんとミケさんは、無事に帰れたんだろうか。お姉さんの元気がなかったのが少し気になる。現実に戻りたくなくなるほどの悩みってなんだろう。他人、いや他ヌイグルミのヌシさんだけど、心配だな。元気になってくれるといいな。まあ、ミケさんという力強いヌイグルミが傍にいるからきっと、いや多分大丈夫・・・・・・って、痛い! 後頭部に衝撃を受けて、僕は椅子から落ちそうになった。振り返ると、そこには別れたばかりにミケさんがいた。

「くまくまさん、あらためてお礼をいいに来ました。先日はありがとうございました!」

「・・・・・」

「あ、先にぶつかったお詫びをするべきでした。ごめんなさい」

 頭を下げたミケさんに、僕は文句をぐっとこらえて深呼吸をして、心を落ち着けてから口を開いた。

「うん、多分たいしたことないから、気にしないで」

「本当にすみませんでした。今後は、ぶつからないように気を付けて来ます。」

 ・・・・今後?


 ミケさんはお礼をいいに来ただけではなかった。提案というか、お誘いもあったんだ。

「だから、私とわたしのご主人様とくまくまさんで、お出かけしませんか?」

 誘ってくれるのは嬉しいけれど、どうして僕がミケさんたちと? それとどこに行くつもり?

「ご主人さまが、くまくまさんも一緒なら出掛けてもいいそうです。お出かけ先は、空想世界なのでどこでも好きな所に」

 それなら話を受けてもいいかな。僕は首を縦にふった。

「ありがとうございます、くまくまさん。あ、もう一つお願いがあるのですが」

 僕と友達になりたいというミケさんのそれを、僕は快諾した。

「もう友達なんだから、もっとくだけた話し方でいいよ」

 ミケさん、僕と話すとき舌を噛みそうではらはらするんだ。だから喋りやすい話し方でいい。そう言うと、

「ありがとうにゃ」

 とかえってきた。ああ、やっぱりそっちが本来のしゃべり方なんだ。ともあれ、これからよろしく、ミケさん。

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