第8話
- くまくま
- 2020年12月30日
- 読了時間: 3分
皆様こんにちは。くまくま、だ。
まずはミケさんをヌシさんに会わせたほうがいいな。そう思った僕ははたと気づいた。僕の空想世界で出会ったミケさんを、現実世界のヌシさんにどうやって会わせればいいんだろう。協力を取り付ける以前の問題だよ。一体どうすれば・・・。あ、ミケさんとどこかで待ち合わせて・・いやそれじゃ駄目だ。僕、カフェへの道順、知らないし。じゃあ、やっぱり、いやでも。悶々と考え出した僕に、ミケさんがこう言った。
「あの、くまくまさん。やっぱり、無理、ですか? 難しい顔、してますが。もしかして、なにか問題が?」
「いえ、その、問題というか、なんというか」
どうしよう、言っちゃっていいものだろうか。今、ミケさんをカフェに連れて行く以前の問題でつまずいているなんて。
「なんでも言ってください! 私に協力できることなら手伝います!!」
さあ、何でもと目を輝かせて身を乗り出すミケさんに気圧されて、僕は口を滑らせてしまった。
「いや、僕のヌシさんに会ってもらう方法を考えていたんです。でも、ヌシさんはこの世界にはいないはずで」
「それって、ここは、くまくまさんの空想世界だからってことです? くまくまさんがいつもいる世界、つまりは、くまくまさん達が普段いる世界とは違うと」
うん、その通り。
「なら、何も問題ないです。わたしも、普段はくまくまさん達と同じ世界にいますから」
くまくまさんと一緒に戻れますよとミケさん。あっさりと解決してしまった。
「じゃあ、ぜひヌシさんに会わせてください。いつにします?」
私は一日でも早い方がいいですというミケさんの気迫に押され、一緒に戻ることにした。
ミケさんと一緒に戻った僕をみたヌシさんは、開口一番、
「くまくま、分かった」
一瞬、ヌシさん凄いと思ったが、ヌシさんに限ってそれは絶対にない。天地がひっくり返ることはあっても、それはない。ちゃんと説明をしないと。僕が口を開く前に、ヌシさんはさらに言葉を紡ぐ。
「私は何も言わない。種族が違うなんて野暮なことは言わない。くまくまが幸せならそれでいい」
ヌシさんが勘違いしているのがよく分かった。(なぜ、そんな勘違いをしたかは分からないが)
「で、式は「ヌシさん、まずは僕の話を聞いてもらっていい?」」
首を傾げると、また僕の話を聞かずに口を開く。
「ま、まさか」
ヌシさんの口を手でふさいだ。その状態で、
「何を想像しているかは分からないけど、とりあえず黙って。そして僕の話を聞け」
というと、ヌシさんが頷く。
「いつだったか歌ってくれた猫の替え歌を歌って欲しいんだ。今」
色々と聞きたそうなヌシさんを歌わせて、僕とミケさんは、ようやく猫カフェの前に立つことができた。
「ありがとうございます、くまくまさん」
うん。
「じゃあ、行きましょう、くまくまさん」
うん・・・って、ミケさん、お店に突撃したよ。なにもそんなに急がなくてもと思いつつ、僕も店に入った。そしたら、ちょっと驚く光景が目の前で繰り広げられていた。その光景から、僕はミケさんが必死だった理由を知ることになる。
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