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第7話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


 秋の行楽に出かけた山の上で、僕は声をかけられた。「少し時間をください」言ってきたのは、猫のぬいぐるみ。彼(いや彼女?)は、僕と一緒にロープウェイに乗り込み、山の麓まで下りてきた。ゴンドラから降りるなり腕をつかまれて、引きずられていったのは喫茶店の人目につきにくい席だった。席につくなり、こう言われた。

「お願いです、くまくまさん。助けてください!」

「へ???」

 我ながら間抜けな声がでた。いやまて、何を助けて欲しいといんだ? 誰を助けて欲しいんだ? 目の前にいる猫か?? 返事をしない僕に、猫はさらに頭をさげた。テーブルに猫の額がゴツンとあたる。

「お願いします、この通りです!!」

「ちょっと待って。とりあえず頭をあげてください」

 頭をあげてもらう。

「分かるように説明してください。まずは、あなたの名前、教えてください」

「わたし、ミケっていいます。くまくまさんにお願いがあるんです」

 うん、僕の話を半分しか聞いてくれてないようだ。

「ミケさん。僕にお願いっていうのは、いったい」

「わたしを、猫カフェに連れていって欲しいんです」

 うんうん、これはナンパというやつかなんて馬鹿なことを一瞬だけ考えた。でも、それにしてはミケさんが必死すぎる。僕が知っている猫カフェは一つしかないけど、そこ、なのかな?

「えっと、ミケさん。あなたがいう猫カフェってどこの」

「猫が店員の猫カフェのことです」

 僕が行ったことがある猫カフェのことのようだ。でも、なぜ、そこに行きたいんだろう? 僕だって自分の意志で行ったことはないから、連れていけないと思う。そう伝えると、

「でも、くまくまさんは、2回も行ってますよね! 行けるはずですよね!!」

 なぜ行った回数まで知っているんだろう。そこがちょっと怖くて、何とか断ろうとしたのだけれど、ミケさんは諦めてくれなかった。かなりの長時間の押し問答の結果、折れたのは、僕。

「わかりました。僕のヌシさんに協力してもらうように頼んでみます。でも、ヌシさんに断られるとか、協力してもらっても行けなかったら、諦めてくださいね」

「ありがとうございます、くまくまさん!」

 さて、ヌシさんにどう頼もう。あのぐうたらなヌシさんが協力してくれる方法を考えなければ。

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